労働法があるため、正社員として雇用したスタッフをまず解雇することはできません。
「急に辞められる」悩みよりも、「なかなか辞めてくれない」悩みの方が深いです。
まず前提として、転職市場に出てくる応募者は、能力の低い人、やる気のない人、性格に問題がある人なども少なくありません。
医療事務の年俸300万円という水準は、女性の労働市場の中でも、給与としては低い方です。看護師もクリニックは当直のある病院よりも低水準です。そもそもスタッフの働きに期待しすぎな先生が多すぎです。
「一生懸命働くのが当たり前」というのは、開業医の常識であるかもしれませんが、「できるだけ働かないで楽してお金がもらえる」のが医療事務や看護師の常識ですとはいいませんが、そのような条件で職場を探している人も少なくありません。
働かないで、楽してお金がもらえるという価値観の不良社員が許せないのか、指導する際には、つい病院時代の研修医への癖などで強い言葉になってしまう先生もいますが、それは危険なことです。パワハラとなってしまうこともあります。
スタッフが会話の録音を取り、「精神的な苦痛で働けなくなった、慰謝料を払わないと訴える」などと、弁護士を選任して脅されることもあります。
だいたい世の中の稼ぎの偏差値でいえば、上位1%に偏差値70以上の開業医は、今まで一緒に働いてきた人を基準に考えがちですが、年俸300万円であれば、稼ぎの偏差値は45以下なわけですから、同じ基準で考えてはいけません。
不良社員に高すぎる給与を支払うのは、大きな問題だと考えています。不良社員は、他の職場に行ってもそこまで稼ぐことができません。
そのため、多少精神的にも物理的にもきつくても辞めてくれません。やる気がなくても、院長と険悪でもしがみつくことになります。最悪、大喧嘩して退職を迫ったり解雇したりしてしまい、不当解雇で裁判になる、ならないまでも解決金を数百万円払わなくてはいけなくなった医療機関の話はよく耳にします。
落ち度がある程度あったため、解雇したものの、不当解雇として民事訴訟となり、復職を求めた裁判となり、500万円以上の金銭をクリニック側から不良社員側に支払うケースなどもあります。
仕事を突然何日か欠勤しても、勤務時間中にスマホゲームをしても、院長の悪口を言っていても、解雇することはできません。
私は法律の専門家ではないので、具体的な方法を掲載するのは控えますが、法律事務所のページを載せておきます。あくまでも、社会保険労務士や弁護士などの法律の専門家によく相談し、確認の上おこなってください。
以下のフォーマットは充実しています。
私は渡したことはないのですが、「退職の決意をよくぞしてくれた?」ということで、数万円多く支払うと、後々トラブルになる確率が下がります。中には、退職後のトラブルを避けるために、手切れ金代わりに渡している院長もいるそうです。
不良社員にも、急に辞めてしまうタイプ、能力のないタイプなどいますが、最も困るのは、他のスタッフとトラブルになるタイプです。
急に辞めてしまうタイプ=-1(一人分の働きがなくなるため)
能力のないタイプ=-0.5(半人分の働きのため)
他のスタッフとトラブルになるタイプ=-2(他のスタッフ2人が辞めるため)
詳しくは実例集のページにも書きましたが、一人トラブルメーカーがいると、他のまともなスタッフが退職しますし、新しく入ってくるスタッフも定着しません。
〈 医療事務のトラブル実例集へ内部リンク 〉
〈 看護師のトラブル実例集へ内部リンク 〉
〈 医師のトラブル実例集へ内部リンク 〉
トラブルメーカーが仕事ができて、リーダー的な存在であったらなおさら悲劇です。1番経験があったり、仕事ができたりすると、お局となって自分と気が合わない人を攻撃して、ドンドン辞めさせてしまうこともあります。なんとしてもその状況を避けなければいけません。
他のスタッフとトラブルになっていたら、核となっている優秀なスタッフを守ります。核となっている優秀なスタッフが嫌になって辞めてしまうことを避けるようにしなければいけません。
優秀なスタッフも人間ですから、院長が味方になって、不良社員を排除しようと努力しているのがわかれば、「院長のために、もう少し頑張ってあげようかな」と退職を踏みとどまるものです。
看護師だけでなく、医療事務も転職を繰り返している人は要注意です。履歴書に空白があるのも同様に要注意です。誤解を恐れずにいうと、看護師免許を持っていて仕事がない、現在の日本で仕事がない医療事務などほぼいません。
親の介護とか、実家に帰っていたというのも多くが嘘です。悪気はないのかもしれませんが、面接のための方便でしょう。「残業が多い」「給与が安いから退職した」というのも、事前に募集要項や面接でわかることですし、自分の判断力の問題です。
職場を辞める理由の大部分は、「人間関係」の問題です。おかしなスタッフが嫌になって辞めたのか、自分がおかしなスタッフだったのか慎重に見極めないといけません。おかしなスタッフの方を雇用してはいけません。
人間関係でトラブルを抱えるスタッフは、メンタルが弱くて攻撃されたときにすぐ辞めるタイプ、勤労意欲が低く休みがちですぐ辞めるタイプなど様々ですが、攻撃性が強いタイプが最も危険です。
攻撃性が強いスタッフは、人を攻撃する可能性が高く、トラブルになるので、他のスタッフが辞めてしまうからです。一見、積極的で仕事もできそうなので、頼りになりそうに見えるのが、厄介です。
組織で他のスタッフと合わせることができない、我慢できず人を攻撃してしまうのは、環境や教育だけでなく、ある程度遺伝子によって決まっています。根本的に直すのはなかなか難しいです。トラブルになる確率が高いので、うちのクリニックでは攻撃性の高そうなスタッフは、雇用しないように気をつけています。今でも、間違って時々雇用してしまいますが。
あくまで不良社員になる確率が高いだけで、特徴に当てはまる=不良社員というわけではなく、必ずしも不良社員となるといいきれませんが、ある程度特徴があります。
転職を繰り返している人は、クリニックに勤めてもまた退職しやすい傾向にあります。中には、転職に全く抵抗がないという人もいます。
完全に就職活動していたので良いのですが、試用期間途中で退職していたり、職歴を隠していたりしている可能性があります。履歴書を見て期間が空いていないかチェックするべきです。
副業優先で、医療のことがあまり好きではないため、ちょっと嫌なことがあると、辞めやすい傾向になります。特に、医師や看護師などは資格があり、給与が良いのでやっているだけで、本当はやりたくないという場合もよくあります。
当たり前かもしれませんが、精神疾患など罹患している人は辞めやすい傾向にあります。
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