要領の良い受験戦略 1.塾講師が言えない
子供の能力差

学校で同じ授業を受けていても、テストの成績が良い子供と悪い子供がいます。良い子供と悪い子供はなにが違うのでしょうか?

多くの子供を教えた経験のある教師や塾講師なら必ず気づいていることですが、世の中で考えられている以上に、子供によって大きな能力差があります。

受験はスポーツと同じように向き不向きがあり、いくら塾に通ったり家庭教師をつけたりしてお金をかけても、子供の能力差が成績に大きく影響します。

塾と学校が蜜月の関係で作り出している受験産業のマーケティング戦略により、「塾に通うようになったら短期間で逆転合格できました!」など、塾に通えば成績が上がると宣伝しますし、「うちの私立中学校に入ればこんないい大学に入れます」と言わんとばかりに、学校はホームページで実績をアピールしています。

受験の全体像を把握して、メディアに踊らされることなく、自分の子供を観察し冷静に判断することによって、塾に課金するタイミングや子供の進路を適切に決めることができます。

子供の能力差を考える上では、「成績が上がらない小中高生 誰も教えてくれない真の原因」というブログが大変勉強になりました。

< 成績が上がらない小中高生
誰も教えてくれない真の原因 >

一般受験の成績は記憶力✕持続力が
大きなウエイトを占める

塾講師が言えない子供の能力差

受験にはどのような能力が必要とされるかを分析すると、記憶力と持続力が大きく関係しています。

中学受験、高校受験(一般受験)、大学受験(一般受験)は人間の能力の中でも、記憶力と持続力が大きなウエイトを占めています。

そして、記憶力と持続力は生まれたときから、もっというと生まれる前の受精したときにかなり決まっているという考えもあります。

学校や塾で先生が書いたこと話したことをノートに書いて記憶して、家に帰ったら教科書やノートを復習、宿題をして記憶を定着させ、小テストや定期テストで記憶が定着したことを確認する。という流れを繰り返し、最終的には受験本番を迎えます。

いくら記憶力が良くても持続力がなく全然勉強しなかったら成績は上がりませんし、持続力があり毎日何時間も勉強したとしても記憶力が悪く直ぐ忘れてしまったら、成績はなかなか上がらないでしょう。

一般受験においては、高校の定期テストで高得点を取るなどして高い評定平均が必要な指定校推薦・公募推薦、コミュニケーション力や文章力が必要な総合型選抜などとは違い、勉強した内容を受験本番まで覚えている必要があり、記憶力の中でも短期記憶ではなく長期記憶が重要になります。

そのような力は地頭力がある、頭が良いなどと表現されることがありますが、今回は(長期)記憶力としています。

また、持続力にも個人差があるわけで、1日30分勉強しただけで苦痛を強く感じてしまう子供もいれば、1日3時間勉強してもあまり苦痛を感じない子供もいます。

努力をしていたとしても苦痛を感じやすく短時間しか勉強できない子供もいるので、今回は努力ではなく持続力としています。

あまり苦痛を感じずに毎日何時間も勉強し続けることができる、目標に向かって努力できるかどうかも才能であり、そのような持続力も記憶力ほどではないにせよ持って生まれた要素が大きいということです。

大学受験においては英語、数学、国語、理科、社会などが受験科目になるわけですが、どの科目も記憶力が必要とされます。

例外としては、国語の現代文は記憶力だけでなく読解力も、数学や物理は記憶力だけでなく論理的思考能力も必要とされますが、それらの科目も記憶力がベースにあることは間違いありません。ちなみに、数学は身長と同じくらい遺伝の要素が大きいと言われています。

記憶するには記憶力以外にも、集中力、理解力など、勉強を続けるには持続力以外にも、自制心、競争心、勤勉性、体力、鈍感力などと表現できる能力も必要ですが、わかりやすく能力を捉えるために、記憶力✕持続力=一般受験力とします。

子供の成績と将来目指す
大学レベルの目安

塾講師が言えない子供の能力差

小学生の成績と目安

・得意→上位2割 通信簿の評価は「よくできる」中心
・普通→中位6割 通信簿の評価が「できる」中心
・苦手→下位2割 通信簿の評価が「できる」と「もう少し」混在

< 【1年生の通知表】二重丸がない!
「よくできる」の平均や家庭での対策を
教えてください >

小学生の段階で、得意、普通、苦手がおおよその能力がわかります。中学受験塾に通っていたら通信簿の成績が良くなるので、その場合は差し引いて考える必要があります。

中学生の成績と将来大学を
一般受験する場合に目指す
私立大学レベルの目安

・レベル5→10%以内 早慶を目指すレベル
・レベル4→10%~30% MARCHを目指すレベル
・レベル3→30%~70%日東駒専を目指すレベル
・レベル2→70%~90% 大東亜帝国を目指すレベル
・レベル1→90%~100% Fランを目指すレベル

経済的に私立大学への進学が難しい場合に
将来目指す国立大学レベルと進路の目安

・レベル5→難関国立大学を目指すレベル
・レベル4→国立大学を目指すレベル
・レベル3→就職or専門学校を目指すレベル
・レベル2→就職or専門学校を目指すレベル
・レベル1→就職or専門学校を目指すレベル

私立大学への進学が経済的に難しい場合は、進学できるのは家から通える範囲の国立大学(県立大学や公立大学も含む)のみとなってしまうこともあります。

進学のために子供にかけることができるお金と、大学進学には密接な関係があります。

小学6年生から中学3年生への変化は、中学3年生から高校3年生への変化より大きく、中学3年生の頃になると、身長と同じように記憶力や持続力などの能力の成長が緩やかになり固定化されていくため、大学一般受験において現役でどのくらいのレベルの大学に入れる可能性が高いかの目安となります。

子供の能力により受験戦略を練る

レベル2の中学生がMARCHレベルの大学を一般受験で現役合格することはまずないですし、レベル3の中学生が早慶レベルの大学を一般受験で現役合格することはまずないということがわかることにより、中学受験するのか高校受験をするのか、中学生の段階での高校選び、大学を一般受験するのか、大学を推薦受験(指定校推薦・公募推薦・総合型選抜)するのかなど受験戦略を練ることができます。

俯瞰して考えることにより、部分最適よりも全体最適、どのタイミングでどのような塾に通った方が良いかなど、タイパやコスパを含めて判断しやすくなります。

高学歴な親の学歴感覚は
間違っていることが多い

高学歴な親は自分自身の経験や周りにも高学歴な親が多いことなども影響して、勉強が得意なら早慶くらい、普通ならMARCHくらい、苦手なら日東駒専くらいには進学できるだろうなどと考えていますが、実際にはその学歴感覚は間違っています。

データから類推すると、大学を目指す子供の中で、子供が小学生で勉強が得意ならMARCHくらい、普通なら日東駒専くらい、苦手なら大東亜帝国くらいを目指すというのがおおまかな目安になります。

・子供の人数→約110万人
・現役で大学入学→約50万人
・日東駒専以上の大学→約25万人
・MARCH以上の大学→約13万人
・早慶上智・旧帝大以上の大学→約5万人
・東大京大→約7000人

< MARCH(マーチ)は上位何パーセント?
同年代の人数から計算してみた >

記憶力✕持続力を数値化して
評価してみる

記憶力、持続力、一般受験力を数値化して評価してみますと

一般受験力=記憶力✕持続力

記憶力を1~10、持続力を1~10とした場合、

記憶力1✕持続力1=一般受験力1が最低
記憶力10✕持続力10=一般受験力100が最高

となります。

記憶力は中学生から高校生と年齢が上がってもなかなか変化しにくい傾向にあります。

記憶力とは逆に、年齢が上がっても持続力は変化しやすい傾向にあります。高校生になって自我が強くなり、難関大学に進学したいという気持ちが強くなったら、持続力がアップすることもありますし、逆に、高校生になって自我が強くなり、勉強しろという親の言うことを聞かなくなったら、持続力がダウンすることもあります。

勉強がそこまで得意ではなかった
私の記憶力と持続力

塾講師が言えない子供の能力差

記憶力と持続力の数値で、真ん中は5.5×5.5≒30になります。

ちなみにですが、私の記憶力は普通の5くらい、努力家の方ではあるので持続力8くらいはあるとすると、記憶力5✕持続力8=受験力40くらいということになります。

大学時代には記憶力10✕持続力4=受験力40くらいの友人がいて、医学部進級テスト2週間前から勉強始めても合格できてしまうため、羨ましいと思ったものです。

お金をかける課金力は
掛け算ではなく足し算

私もそうでしたが、親が教育熱心で塾や家庭教師などにお金をかける課金力があると、✕(掛け算)ではなく+(足し算)で効果があります。

一般受験力=記憶力✕持続力+課金力

都会は中学受験、高校受験、大学受験向けの塾があり課金することができるため有利、地方は塾がない地域でしたら課金することができないため不利というのはあるでしょう。ただ、持って生まれた記憶力や持続力ほど大きな要素ではありません。

記憶力と持続力ごとの子供の進路

塾講師が言えない子供の能力差

記憶力と持続力の高い低いにより、大学受験において、一般受験・指定校推薦・公募推薦・総合型選抜などの向き不向きの傾向があります。

記憶力が高く持続力が高い子供

一般受験に向いている傾向にあります。

記憶力が高く持続力が低い子供

一般受験に向いている傾向にあります。

将来的に最も偏差値が上がる可能性があるのは、記憶力が高く持続力が低い子供です。年齢と共に自制心などが強くなり持続力が高くなる可能性はあります。頭は良いのにやる気がない子供がやる気が出たら成績が上がるということです。

記憶力が低く持続力が高い子供

指定校推薦、公募推薦に向いている傾向にあります。

高校の定期テストや小テストは出題範囲が狭いため、記憶力が低くても繰り返し勉強することにより高得点、高い評定平均を取りやすいです。

記憶力が低く持続力が低い子供

高校で高い評定平均が取れない場合は、消去法として総合型選抜の中でも評定平均が低くても受けることができる入試が向いているということになります。面接があるためコミュニケーション力が高く、志望理由書や小論文があるため文章力が高い方が有利でしょう。

子供の能力を把握して戦略を立てる

あくまでおおざっぱな目安ですが、子供の能力差を分類してみました。課金力はその家庭の考え方や経済状況によって異なりますが、子供の能力を冷静に把握して、中学受験・高校受験・大学受験、一般受験・指定校推薦・公募推薦・総合型選抜の戦略を立てることが大事です。

2.国立大学を目標にするべき子供は少数
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