医局洗脳からの脱却 4. 医師優遇税制活用で
開業リスクを最小限にする

医師優遇税制活用で
開業リスクを最小限にする

医師優遇税制活用で開業リスクを最小限にする

大病院の勤務医の先生方の中には、「開業したいという気持ちはあるけど、リスクがあるし怖い。」という先生方もいらっしゃるでしょう。 そんなリスクを恐れている先生方におすすめの開業方法があります。

それは「医師優遇税制を活用して開業する」方法です。 医師優遇税制を活用して開業すれば、リスクを最小限に開業することができます。

医師優遇税制は措置法第26条と呼ばれており、経費の計上に関する特例で、社会保険診療報酬が年間5,000万円以下の場合、実際の経費ではなく概算で経費計算ができる制度です。

< 「医師なら知っておきたい優遇税制~措置法第26条~の基礎知識」 勤務医ドットコム >

私は「医師優遇税制を知らずして開業してはいけない」とよく言ってますが、特に競争が激しい地域での開業においては、医師優遇税制に合わせた開業をするべきとさえ考えています。

詳しくは上記やネット上でシュミレーションしてみていただきたいですが、売上5000万円 経費2000万円(医療事務2名+看護師1名+家賃+その他)開業医の収入3000万円ほどとします。

医師優遇税制を活用しない場合、税金が1200万円ほどかかり、手取りは1800万円ほどです。

医師優遇税制を活用した場合、3340万円が概算経費として認められるため、税金が600万ほどかかり、手取りは2400万円ほどです。 かなり大ざっぱな計算ですが、600万円ほど手取りが多くなるのです。

もし医師優遇税制がなくなったら

もし医師優遇税制がなくなったら

ここ数年でなくなる可能性はほぼないでしょうが、もし医師優遇税制がなくなってしまったら、どうすればいいのでしょうか? 答えは簡単です。そのまま診療を続けるか、患者さんが多くモチベーションが高ければ、拡大移転すれば良いのです。

閉院するのもコストが安い

万が一うまくいかなかったり開業医を辞めたくなったりして閉院するにしても、医師優遇税制の範囲内のミニマム開業ですから、内装費や医療機器などの投資コストが安いだけでなく、クリニックのスペースも最小限の広さで数百万円で原状回復する(クリニックを借りる前の状態に戻す工事をおこなう)ことができます。

患者さんが増えてきたら休診日を増やす

患者さんが増えてきたら休診日を増やすこともできます。

例えばですが、週5日から週4日に診療日を減らすこともできます。土日祝と水曜日を休みにしたら、月曜日・火曜日・木曜日・金曜日が診察日にすることができます。

年末年始、ゴールデンウィーク、シルバーウィークの前後なども休みにすることにより、海外旅行も行きやすくなります。 もう少し収入を増やしたいということであれば、水曜日や土曜日は別の病院でバイトすることもできます。

内科・小児科・皮膚科で
リスク分散して開業する

単科目だけで診療していると、すぐそばにクリニックができてしまったら、患者さんが全然来なくなってしまう可能性があります。 3科目診療することにより、リスクヘッジができるだけでなく、皮膚科で来てくれた患者さんが内科のかかりつけになってくれることがあります。

その地域にあまりニーズがない科目だったり医師優遇税制の範囲を越えそうほど患者さんが増えたりしたら、後から標榜を減らすこともできます。 整形外科はリハビリ室、眼科は検査機器、耳鼻咽喉科は処置台や聴力検査室が必要のため、一緒に診療するのはなかなか難しいでしょう。

クリニックはおおよそ10万軒あるうちの内科を標榜しているクリニックは6.4万軒、小児科を標榜しているクリニックは2.0 万軒、皮膚科を標榜しているクリニックは1.2万軒あります。

少子化が進んでいるため、小児科医は、内科・皮膚科も、出産も減っているため、産婦人科医は内科・小児科・皮膚科も、泌尿器科医は泌尿器科単科での開業も徐々に増えてきましたが、泌尿器科医は以前から皮膚科と共に診療されてきました。

内科医→内科・小児科・皮膚科
小児科医→内科・小児科・皮膚科
産婦人科医→産婦人科・内科・皮膚科
泌尿器科医→泌尿器科・内科・皮膚科

などの組み合わせで診療していくことが多いです。

地域によっては医師1人につき標榜科目が2つまでなどのこともあるため、非常勤医師を雇用する予定であるなど、工夫が必要な場合もあります。

最短で内科・小児科・皮膚科
クリニックを開業する方法

最短で内科・小児科・皮膚科クリニックを開業する方法

当然ですが、各科目を診療するにあたりクリニックで診療できる能力が必要です。 臨床研修では必須科目に内科、小児科は含まれているでしょうが、皮膚科や救急外来も研修するといいでしょう。病棟よりも外来が経験できる科が良いです。

内科の中では総合内科、呼吸器内科、消化器内科などが研修の候補になります。

内科、小児科、皮膚科の3科目の中でクリニックの外来において、患者さんに説明するのが一番難しいのは皮膚科なので、特に皮膚科の外来はしっかりと研修を受けるべきでしょう。 臨床研修後に専攻医としてコースを受けるなら、総合診療や家庭医のコースも選択肢になります。

その後は、内科、小児科、皮膚科も診療しているクリニックで1〜2年間研鑽を積んで開業準備も同時進行でおこないます。院長先生からのバックアップがあるとなおいいです。 常勤でもいいですが、非常勤で3箇所くらい別のクリニックで学ぶ方が、より多くの経験ができるかもしれません。

5.医学生、若手医師へのメッセージ
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