婚活は相手を知ることから始まります。仕事のことや趣味のことから始まり、住んでいる場所や休日の過ごし方、食べものの好みや好きな映画、性格や価値観に至るまで、相手のあらゆることを知らないと、結婚に踏み切ることはできません。結婚してから「あなたがそんな人とは知らなかった」と後悔しても遅いのです。結婚にクーリングオフのような制度はありません。
相手を知ることが大切なことは、結婚を望んでいる多くの人がわきまえていることでしょう。さて、ここであなたに尋ねておきたいのは、「知る機会をどれだけ設けているか」です。
ひとりの相手に対して、どれほどの知る時間を割けていますか?
これは婚活に限った話ではないですが、「人は見た目が9割」という言葉があるように、ほとんどの人は相手をまず外見で判断します。初対面の人と出会い、その外見を頭にインプットして、「好み」「普通」「嫌い」という判断をアウトプットするまでにかかる時間は、せいぜい3秒程度です。たった3秒でその人を判断し、好意が持てればより関係を深めようとしますし、嫌悪を抱けば距離を置こうとします。
婚活の現場でまず行われる第一印象による選別作業がこれなわけです。見た目の良し悪しだけでなく、服装や外見的なの雰囲気で、3秒で瞬時に判断し評価を下します。男性を見る女性の目は厳しく、だいたい10人いたら、嫌いな男性6人、好みな男性1人、どちらでもない男性3人くらい、外見で無意識のうちに選別しています。嫌いな男性に入ると、いわゆる「反応がいまいち」な印象を受けることでしょう。
外見のみで人を判断して、随分差別的な行為かもしれませんが、多くの男性から選び出す本能ですので、致し方ない部分もあります。女性ほどではありませんが、男性も似たように判断しています。
第一印象の外見で嫌いな男性については、だいたいの女性は上の空で真剣に話を聞いていません。嫌われてしまうとなかなか逆転するのは難しいのです。
続いて、外見の3秒判断をくぐり抜けた人と真剣に話をします。名前から始まり、職業のことや家族についてなど、その人のパーソナリティに関わる情報を交換しあうのです。職業で経済事情を推察し、話し方や振る舞いも含めて、自分の理想に適うかどうかを判断します。これが大体で30秒。大人数で行う婚活パーティではこういった紹介の時間がプログラムの中に設けられ、できるだけたくさんの人と短時間で交流するチャンスが設けられています。
コミュニケーションをとることで相手への好感度が増すことはあります。ですから、外見の3秒判断だけで候補者を容赦なく絞るのではなく、この30秒の会話の時間は作るべきでしょう。本来、たった3秒や30秒で相手のことを知り尽くすことなんてできないはずです。外見だけで嫌って距離を置くことは、実はたいへんな損をしているかもしれません。運命の人を自ら遠ざけているかもしれません。
さらに次の段階。気になる相手が見つかったら、一緒にいる時間をできる限り作ることです。相手の性格を十分に知ることが、幸せな結婚生活を送るための第一歩なのです。そう、ここでようやくスタートです。
相手の性格を知るために必要な期間はおよそ3ヵ月。この「試用期間」を過ごさないことには、相手と自分の相性を見極めることなどできはしません。にもかかわらず、婚活市場が活性化するにつれて、この3ヵ月がないがしろにされている節があります。彼らの多くは外見3秒と職業30秒で大いにふるいにかけます。厳選してばかりで、候補探しに時間をかけて、いつまで経っても結婚になりません。
「3ヵ月なんて長過ぎる」「いちいちそんなに時間をかけられない」なんて思ってはいけません。その考え方こそが、幸せな結婚生活を遠ざけてしまっているのです。
相手の外見や職業や年収で選ぶよりも、相手の性格を知るための3ヵ月というスパンが大切であることを書きました。理想の結婚を果たすためには、この「性格3ヵ月」を忘れてはいけないのです。
この3ヵ月間で注意すべきことは、性格を知りたいからといって相手のことばかり観察するのではなく、自分の心の中にも目を向けることです。簡単な話で、相手と一緒にいる間、自身の胸中がどんな思いにあるかを冷静に見つめることで、相手の性格による自身への影響を感じ取ることができます。たとえば、相手の言動にいちいちイライラを募らせていたら相性最悪です。そんな人とは即刻別れるべきでしょう。結婚してはいけません。相手と一緒にいるとなぜか心が落ちつかなく、本当の自分をつい隠してしまったり、相手に気を遣っているような節があれば、相手との相性は良くないでしょう。結婚して以降も、本当の自分を出せない息の詰まる結婚生活が待っている可能性が高いです。
では、一番理想の相手と出会ったとき、自分の心はどう共鳴するのか。実際のところ、何も起きません。心はざわつくことなく、いつも穏やか。一緒にいて一切苦を抱かず、本来の自分が出せ、気楽でいられます。そういう人が、理想の相手なのです。恋は盲目といいますが、つい外見がよかったり、年収が高いとすべてがいい異性と勘違いしてしまうように人間はできているのです。
太古の昔の原始社会では、今のように異性と出会う機会がなかったでしょうから、出会った近所の部族の異性と一瞬で恋に落ちて、その日に行為をしていたでしょう。逆に、そうでないと生殖行動が起こらず、そういう人間は淘汰されていたでしょう。その後、共同生活をするようになると、性的な魅力を感じずらくなり、親兄弟と同じように愛情の部分でつながるようになるわけです。昔から変わらない遺伝子のせいで、現代社会の人間は、結婚相手の選び方を間違わせているという側面はあります。
現代社会では、毎日のように色々な異性と出会うことができる状況で、原始社会における恋をすることができるわけですから、恋中毒になってしまっているともいえます。相手の性格や言動に対して、自分自身は建前を繕って順応できても、心の深層ではダイレクトに反応を起こしています。性格面で妥協すると、気の合わない相手と付き合うことになりますから、一緒にいる時間が我慢の時間に成り代わってしまいます。心的なストレスがみるみる蓄積されていくので、いつか心身のバランスが崩れてしまいます。
・ 相手の性格が大事であること。
・ そして、一緒にいて苦じゃない人であること。
穏やかで幸せな理想の結婚生活を送るための必須条件は、ここにあるのです。
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