多くの人にスマホが普及したことにより、クリニックについてもまた、スマホで検索される時代になりました。
地域や科目にもよりますが、おおよそ8割前後がスマホ、2割前後がパソコンになります。都心や若年層ほどスマホの割合が高く、地方や高齢者ほどパソコンの割合が高い傾向にはあります。
「病院探し」とは、「体調が悪いなどのときに、具体的に行くべきクリニックを探すこと」を指しています。
ここで対象としているのは、かかりつけのクリニックがない患者さま、もしくは、かかりつけのクリニックがあるにせよ、かかりつけのクリニックを選択できない理由(休診日など)があり、初診でかかるクリニックを探している患者さまのことです。
クリニックを「探しているとき」とは、体調不良などの理由で診察を希望している状態ですから、その状態で「受診できる」とその方が思う距離の中にあるクリニックが対象になります。
風邪などで、患者が体調の悪いときに移動できる距離は、遠くても10分前後でしょう。ですから電車社会では駅から徒歩10分、車社会では車で10分以内が「病院探し」の目安になると考えられます。
インターネットが普及する前の時代の「病院探し」は、タウンページで調べる、新聞の折り込みチラシやポストに投函されたチラシを読み返す、などの方法が一般的でした。
これらの手段は、今も高齢者などのインターネットを活用しない世代の方に対しては有効な場合もありますが、すでに70代以下の世代にはスマホが浸透しており、保存しておいたチラシを読み直したり、タウンページで調べたり、クリニック探しにもネット検索が利用されています。
そのため、ネット検索をするときに分かりやすいホームページを運営することに加え、スマホの検索結果にどのように表示されるのかにも、十分に気を配ったホームページ作成、検索で上位表示されやすくするための対策(SEO)をする必要があります。
ネット検索で近くの飲食店を探し、そこに足を運ぶように、クリニックもまたネット検索によって探す時代になっています。
スマホは、パソコンに比べて画面が小さいため、多くのページや文字を閲覧することができず、検索結果画面上で、上位表示されているクリニックに患者さまが集中する傾向にあります。
各機器により異なりますが、パソコンでは、1画面で1位~7位くらいまで表示されていたのが、スマホでは、1位~3位くらいまでしか表示されないためです。
検索キーワードを入力した人は、その検索結果を、上から順に閲覧していくことになります。 基本的には上位に記載されるほどクリックされる確率が上がります。
ちなみに、キーワードによっても異なりますが、仮に1位のキーワードが20%だと、2位は10%、3位7%、4位5%、5位3%、6位2%、7位~10位1%前後です。1位と10位だと20倍クリック率が違うというのは驚きです。
検索結果の、「より上位に」表示されることが大切になります。
ですので、「自院の地域名+科目名」の検索結果で上位に表示されることは、ネットを使った 「病院探し」の対策としては必須ともいえます。 できれば、自然検索結果で、自院のホームページを1位に表示させたいところです。
逆に言うと、たとえ検索結果に表示されたとしても、2ページ目以降に表示される場合は、 ほとんどクリックされませんから、もはや大多数の人にとって存在しないのと同じことになってしまうのです。>せっかくクリニックを作ったのに、ネット上では誰も見てくれないなんて寂しいことです。しかし、指摘されにくいせいか、そうなってしまっているクリニックは少なくありません。
病院を探すとき、どのように検索されて、検索結果にどのように表示されるか。それを知ることが、「病院探し」対策の第一歩です。
多くの人は、病院探しをする際は「地域名+科目名」(実際は1マス空けですが、便宜上「+」と表記しています)で検索します。たとえば、「新宿+内科」の検索キーワードで調べている人は、新宿で内科を探していると類推できます。そういった地域名と科目名が含まれているキーワードで検索している人に、自分のクリニックを見つけてもらうことが重要になります。
たとえば、スマホで「新宿+内科」と検索すると、およそ検索連動型広告、マップ検索結果、自然検索結果の順で表示されます。 3種類ありますが、3種類は別々のルールで表示されています。検索したことがある方でしたら、どなたでも見たことがあるでしょう。
「自院の地域名+科目名」の検索結果で上位に表示されることは、ネットを使った「病院探し」の対策としては必須ともいえる条件なのです。できれば、自然検索結果で、自院のホームページを第1位に表示させたいところです。
検索で上位に表示されるためには、次の3つの対策が必要になります。
グーグルやヤフーなどの検索エンジンにおいて、広告主(広告主に依頼された代理店)があらかじめ指定しておいたキーワードで検索が行われた際、その検索結果表示の広告枠に、誘導したいホームページのリンクを掲載する方法です。
そのリンクがクリックされるごとに、1クリックごとに50円〜200円前後(金額は、検索ワードの入札条件により異なります)の広告料がかかります。同じ検索ワードで表示させたい広告主が複数いるときは入札が行われ、基本的にはより高額の広告料を払ったほうが上位表示される仕組みです(実際には、広告料だけではなく、クリック率や、リンク先のページと検索キーワードとの関連性などが影響を与えます)。
なお、広告代理店により異なりますが、グーグルやヤフーに支払う広告費用の20%前後を広告代理店に報酬として支払います。「自院の地域名+科目名」の完全一致のみ掲載するのであれば、難易度も高くないので、腕に自信がある方は、ご自身でするのも一つの手です。たとえば、「新宿+内科」で検索する場合、その人は新宿駅近辺の内科を探しているわけですが、「新宿+内科」で検索連動型広告を出しておくと、検索結果画面に、その広告が表示されるため目に触れることになり、クリックするとリンク先のホームページが表示されて、来院に繋がるわけです。
「グーグルキーワードプランナー」をチェックすることで、どのキーワードが月に何回検索されているかなどを知ることができます。設定が必要ですが、「グーグルサーチコンソール」や「グーグルアナリティクス」では、どんなキーワードでサイトに来たかに加え、何ページ閲覧したかといった情報も集積されます。これらを確認することで、どんなキーワードで検索されてクリックされて、ホームページを閲覧されているのかを知ることができます。
グーグル検索で「地域名+科目」で検索された検索結果画面に載る地図情報の中で、意図するページを上位に表示させるための対策です。
3つしか表示されないため、3位以内に掲載されることを目標にします。メリットは、地図情報は検索結果の中でも比較的上位に表示されやすく、目に付きやすいこと、そして「地域名+科目名」で検索している人(つまり、まさに今「病院探し」をしている人)がターゲットであることです。
「グーグルビジネスプロフィール」とは、店舗ビジネスのオーナーが無料で利用できるグーグルの店舗登録サービスのことで、店舗の営業時間、電話番号、ビジネス情報などをグーグルビジネスプロフィールに登録できます。それ以外にも「写真」を掲載したり、「投稿」「(口コミを)返信」「質問と回答」などして発信するとより良いです。
スマホには、GPSによって現在地情報を把握する機能があります。GPS機能をオンにしておけば、たとえば、同じ新宿でも、東口で検索したときには東口に近いクリニックが、西口で検索したときには西口側のクリニックが上位に表示されやすくなります。
新宿駅前クリニック皮膚科内科泌尿器科ビジネスプロフィールはこちら >
これは、(1)で述べた検索連動型広告ではなく、検索エンジンでキーワード検索した際に、自院のホームページを上位に表示させるための対策です。評価の基準はブラックボックスであり、よく分かっていない部分もありますが、以下の傾向があると言われています。
例えば、学会、医師会、製薬会社などの権威性のあるサイトに、クリニックのURLを掲載してもらうと上位表示しやすくなります。
病院探しをしている人は、「この症状や病気は診てもらえるのだろうか?」 「どんな医師が診てくれるのだろうか?」「場所はどこらへんにあるのだろう?」と 不安な状態です。 診療している病気や症状、診療科目、医師紹介、アクセスなどの誰もが知りたい情報を掲載しておくべきです。
他のページのコピーなどではなく、オリジナルの内容であることも重要です。
ホームページのタイトルに、自院の地域名と科目名を入れると、そのキーワードで検索した場合、上位表示されやすい傾向にあります。今後その傾向が変わる可能性もありますが、クリニック名を決めるときには、その観点から院名を考えても良いでしょう。「新宿+内科」であれば、新宿内科クリニックなどの名称であれば、自然検索では上位表示されやすくなります。
老舗企業は信用されやすいのと同じように、ホームページもできた年が古いほど信用されます。新規開院のクリニックのページを作成する際は、ここはどうしても弱くなってしまいます。
「病院検索サイト」とは、各クリニックのホームページとは別に、それぞれのクリニックの診療科目、診察時間、アクセス、口コミなどを掲載しているサイトのことで、複数の運営会社があります。
「自院の地域名+科目名」などで検索した場合の自然検索結果には、病院検索サイトも表示される場合があるので、これらのサイトに登録をしておくことが大切です。無料で登録できるクリニックの基本情報は、迷わず登録しましょう。その上で「病院検索サイト」に有料掲載するかどうかは、実際の閲覧数を見て判断します。それぞれのサイトで閲覧数が公開されていることもありますから、その閲覧回数を見て、有料掲載の価値があると判断できれば広告を出すといいでしょう。1PVあたり何円かかっているのかが、一つの指標になります。
また、競合が少ない地域では、その地域内で内科を探している人が「地域名+内科」などのキーワードで検索した場合に、クリニックのホームページよりも、病院検索サイトが多く表示されることがあります。その場合にも、その病院検索サイト内で自分のクリニックが、上位表示されていれば、より見つけてもらいやすくなります。
病院検索サイト内の情報に、クリニックの写真や紹介文を掲載すると、その病院検索サイト内で上位に表示される傾向があります。これによって、病院検索サイト内でクリニックを探している人からも自分のクリニックが目に留まりやすく、無料掲載できるサイトも多いのでおすすめです。
クリニックの集客を目的とするのであれば、フェイスブックやツイッターなどのソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)の運用に力を入れすぎるのは、あまり効率的ではありません。
国内ユーザー2600万人(2016年9月調べ)と言われるフェイスブックですが、そのウリは実名登録による「実名性」です。実名が故の信頼性が最大の魅力であり、多くの利用者が自身の日常を書き綴っていますが、その中に「○○クリニックに行ってきた」という投稿はほとんどありません。
それは、医療が「プライバシーを重視するコンプレックス産業」だからです。会社の隣のラーメン屋に行った話は、それが公になってもよいと考える人が多いのに対し、自分がインフルエンザに感染して「○○クリニックを受診した」という情報は、あまり人に知らせたくないし、わざわざクリニックの実名を知らせるようなことではないと考える人がほとんどです。
ですから、そのような実名のネットワークであるフェイスブックにクリニックの投稿(たとえば、クリニックの医師が糖尿病の治療法を語る内容)や広告を出しても、積極的に「いいね!」されたり「シェア」されたりするとは考えにくいものです。
その点、ツイッターはフェイスブックよりも匿名性が高く、フェイスブックよりは拡散はされやすいかもしれません。けれどもそれでもなお、これらに積極的に投稿したり有料広告を出したりするのは費用対効果が合いにくいのです。それは、保険診療のクリニックは高額商品を扱うクリニックと異なり、単価が低く、投稿の手間や出した広告に対して、採算が合いにくいからです。ソーシャルメディアを導入する場合は、それらの点を理解してから、活用するとよいでしょう。
さらにSNSのアクセス数は、話題になったそのときには瞬間的にどっとアクセス数が増えますが、数日するとすぐに落ち、その波がとても激しいです。
その一方で、クリニックの情報というのは、そのときに病気にかかっている人にしか目に飛び込まず、閲覧者の総数のうち大多数は病気にかかっていない人ということになります。
たとえインフルエンザに関する良い情報があったとしても、そのときインフルエンザが疑われる症状がない人であれば来院することはありません。このような理由で、SNSは積極的にはお勧めできません。
4.競合と比較されて選ばれるには