開業において立地選びは非常に重要です。最重要事項といっても過言ではないでしょう。
開業場所が決まれば、通りがかりで1日何人の新患が訪れるのかが決まるだけでなく、競合クリニックも決まりますし、ネット集患(競合のネット力も含め)も最大でどれくらい効果があるのか推定することもできます。
そのため、私は開業志望の先生方に「開業は立地が8割」とお話ししています。
開業場所選びは、「人生最大の決断?」とはいいませんが、家を買う以上に大事なことなのに、残念なことに開業志望の先生方は、「立地選びを軽視している」と考えています。
コンサルティングをしていていつも感じるのは、開業して苦戦しているのは、やはり、立地選びを間違えてしまった開業医ばかりです。
開業する先生は立地の選び方を含めて、初めてのことですから、致し方ないことなのかもしれません。
地域、競合、物件もそれぞれ異なりますし、科学的にこの場所が良い悪いと分析された情報が少ないというのも一因でしょう。
まずは、患者さんが開業したばかりのクリニックをかかるまでの流れを確認しておきましょう。
①認知→②病院探し→③比較検討 →④初診 →⑤かかりつけ
の5つの段階に分けることができます。
クリニックの前を通りがかり、クリニックの存在を認知されるだけではなく、体調不良になったときに、科目を含めてクリニックを思い出してもらって初めて、病院探しの候補になります。
一般的に、人は体調不良になると、自宅か職場から徒歩で5~10分以内(半径500m~1㎞)、車を利用するなら車で5~10分以内(半径2㎞~4㎞)で行けるクリニックを探します。
スマホやパソコンで「地域名+科目名」などのキーワードで検索して、クリニックを探します。
①で思い出したクリニックと②の検索して探したクリニックの中で、2~3つほど絞り比較検討して、受診するクリニックを決めます。
①~③を経て、初めてクリニックを受診します。
次に体調不良になったときに、①~③の行動をおこなうことなく、クリニックを受診していただけると、かかりつけといえます。
〈 ネット集患については、詳しくはこちらのページをお読みください。 〉
一連の流れで、「口コミで来院されるのでは?」と考える先生もいるでしょうが、開業したばかりには、誰もクリニックを受診したことがないため、残念ながら口コミされることはほぼありません。
患者さんがクリニックにかかって初めて、リアルやネットで口コミが発生します。②の病院探しや③の比較検討の段階に影響を与えることになります。
そうなると、通りがかりとネットが重要になるわけですが、ネットはどうにか頑張れたとしても、当たり前ですが、通りがかりは頑張りようがありません。
私は医療SEOの専門家を目指して日々研究していますが、立地はネット集患にも影響を与えます。
ネット上での競争が激しくなる昨今、逆に、人通りが多く通りがかりで認知されやすい立地の重要性をひしひしと感じています。
競合にどれくらいネット力があるのかも評価する必要がありますし、ネット集患するにしても、しやすい立地とそうでない立地があります。
これまでにクリニックの開業支援、コンサルティングをしてきた知識と経験を生かして、開業の立地戦略として、繁盛しやすい立地の選び方について公開しています。
2022年には、クリニックにおける開業場所の選び方の本を出版しました。
開業志望の医師、移転を検討している開業医 や分院展開を検討している開業医の先生方にお役に立てれば幸いです。
クリニックを開業するにあたり、繁盛する立地というのは、色々な考え方があるでしょうが、私は「需要が供給を上回る地域」「競合が弱い地域」「認知度が高い場所」の3つの要素が重要であると考えています。
各科目ごとに良い立地というのは変わることもあります。
地域によって、住んでいる人の年齢層や競合の数も異なるためです。
内科、整形外科、眼科などは、高齢者のニーズがある科目のため、その地域の65歳以上の人口総数(夜間人口)も指標になります。
電車社会というのは、明確な定義はありませんが、主にスーパーやコンビニなどへ買い物に行く際には、歩いていく人が多い地域で、遠くに行くには車ではなく電車を使います。
日本国内でいえば、東京都23区内、大阪府の一部、地方の都市などが該当します。
電車社会というのは、明確な定義はありませんが、主にスーパーやコンビニなどへ買い物に行く際には、歩いていく人が多い地域で、遠くに行くには車ではなく電車を使います。
日本国内でいえば、東京都23区内、大阪府の一部、地方の都市などが該当します。
電車社会のように駅は人が集まりやすい場所とは限らないので、注意が必要です。
医療モールには、内科や歯科以外にも、整形外科、耳鼻咽喉科、眼科、小児科、皮膚科、心療内科など各科が入ります。大型医療モールであれば、内科が2科目(消化器内科と循環器内科など)入ることもあります。
一般的には、医療モールを運営する会社や調剤薬局が、医療モールを計画しクリニックを誘致します。
医療モールを運営する会社や調剤薬局が、ビルのオーナーからビル一棟やワンフロアーを借り上げることもあれば、ビルのオーナーとクリニックが契約することもあります。
開業を希望する場所で、競合がいなければ理想ですが、残念ながらそのようなことはまずありません。
開業支援をしていると、開業志望の先生から「競合についてどのように分析すればいいか?」とよく相談されます。
競合クリニックの分析方法について具体的に説明します。
ローコストで内装を仕上げる方法を共有します。
認知されやすさの重要性を共有します。