なぜ、人間は口コミを投稿するのでしょうか?
人間の遺伝子には、なにか出来事があったら伝えたいという性質があります。太古の昔からその日の出来事を、仲間同士で共有していて、「あそこの水を飲んだら、体調が良くなった」「あっちの木の実を食べたら、具合が悪くなった」など語っていたことでしょう。
今でもその性質があるため、リアルだけでなく、ネット上でも口コミを書くわけです。
クリニックにかかる際には、ある一定の期待を持って患者さまは来院されます。その際、期待が高く、実際に受診して満足度が低いほど、ギャップがあるほど、悪い口コミが書かれてしまいます。調が悪いとき、不安が強いときだと、マイナスの感情がより増幅されてしまうわけです。
良い評価の口コミと良くない評価の口コミもありますが、良くない口コミの中には、当たっていることは少なくありません。
開業医は、自分では気づかないうちにお山の大将となっていることもあります。医師の診療態度について、患者さまも面と向かって言いにくいことです。同じく看護師や医療事務も雇用主の医師には伝えにくいものです。
開業医から良くない評価の相談されると、「先生の診療は、まさに良くない口コミの通りではないでしょうか」と心の中で思うことがありますが、自分でも認めることができない気持ちはよくわかります。
グーグルマイビジネス上の口コミは、基本的には削除してくれません。Googleのポリシーに違反する文言がある場合は削除できる可能性がありますが、それ以外は報告しても削除してくれません。通報のシステムはありますが、通常の内容だと、ほとんどが削除してもらえません。それ以外の口コミサイトは削除してくれる可能性があります。明らかに事実と異なる内容であれば、運営者に問い合わせます。
スマホで診察時間や行き方を調べるときに、★星印の口コミの点数が見えてしまいます。そのとき1点台の低評価であれば、どうしても躊躇してしまいます。レビューの点数が低いと、クリニックはローカル検索においても上位表示されにくくなります。悪い口コミばかりだと、新規患者さまが減り、最悪の場合、クリニックが潰れてしまう可能性もあります。
患者さまが過剰な期待を持ってしまうことです。たまたま良い口コミが続いただけで、「素晴らしいクリニックに違いない」と勘違いをしてしまい、普通の診療では満足してくれないことがあります。
今、グーグルはグーグルマイビジネスに力を入れています。一人一台スマホを持ち、GPS機能があるため、今後もローカル検索を利用する人は増え続けますし、実店舗の口コミも参考にしていく人は増えていくでしょう。
ローカル検索される回数が増えれば、その分広告配信する回数も増えますから、グーグルとしては売り上げが上がります。
自動運転の開発も力を入れているため、自動運転が普及したら、将来的にはグーグルマイビジネスが車のフロントガラスなどに、検索結果などに表示される可能性もあります。アメリカでは、1つのクリニックで200件以上口コミがあるケースも少なくありません。今後日本でも増えていくことでしょう。
医療機関は口コミへの返信は3パターンに分けることができます。
謝罪をすることなく、診察内容や治療法について、反論するパターンです。冷静に反論するのならまだしも、感情的になり患者さまに罵詈雑言を書き込むのはよくないことです。口コミを見たユーザーは、心が離れていってしまうでしょう。
例としては
「あなたのような人は二度と来なくていいです」
「他の病院に行ってください」
口コミの内容からカルテを確認して、そのような方は確認できなかったことを返信したり、自院ではありえないことを説明したりするパターンです。暗に、口コミが嫌がらせであることを示しているかと思われます。現実には全カルテを確認することは不可能ですし、多少の勘違いはあったとしても自院でないと指摘するのは、口コミを見たユーザーは不誠実さを感じてしまいます。
例としては
「カルテの記録を拝見しましたが、同じような方は確認できませんでした」
「当院では、○○のシステムはないため、そのようなことはありえません。別のクリニックの間違いではありませんでしょうか」
内容に関わらず、まずは丁寧に謝罪するパターンです。
口コミを見たユーザーは社会常識のある立派なクリニックだと感じます。
「この度は、申し訳ございませんでした」
「今後このようなことがないよう、努めて参ります。」
他院の口コミの返信を見ていると、中には返信メッセージが適切で感心することもあります。ヤフー知恵袋でいえば、回答でベストアンサーをつけたくなる内容です。
グーグルで良い口コミだと嬉しいですし、悪い口コミだと悲しくなります。良くない口コミが書かれてしまったせいで、心が病んでしまいそうになった開業医もいますが、あまり気にしないことです。
合う患者さま合わない患者さまいますので、合う患者さまだけにかかっていただければよいという考えもあります。
患者さまから看護師や事務へいくらクレームをもらったからといって、社会人で、しかもいい年した人間はそうそう変われるものではありません。
たしかに社会常識がなってないレベルまで対応が悪ければ問題だと思いますが、反省することは反省し、落ち込みすぎるのも自分にとっても患者さまにとってもよくありません。「鈍感力」という言葉が以前に流行りましたが、考え込みすぎず気持ちを切り替える能力も必要です。
7.ネット業者に騙されないために