検索連動型広告は、検索エンジンに特定のキーワードを入力した際に、自然検索結果などに表示される設定の広告になります。日本国内では、グーグルとヤフーで全検索の90%以上を占めており、この2つのみで充分です。以前はヤフーの方が検索されていましたが、スマホが浸透したこともあり、グーグルの方が検索されています。
両方やった方が良いですが、どちらか一つだけということであれば、解析機能が充実しているグーグルをおすすめします。
検索連動型広告以外にも、ディスプレイ広告などありますが、費用対効果があまり良くないので、積極的にはおすすめしておりません。特に急性期の病気では、その日にクリニックを探して受診してしまうため、ディスプレイ広告を繰り返し見せても効果が低いです。
検討期間が長く、高単価の病気であれば、ディスプレイ広告を出した方がよい場合もありますが、医療関係のキーワードは、広告の審査が通りにくいこともあります。
なお、広告代理店により異なりますが、グーグルやヤフーに支払う広告費用の20パーセント前後を広告代理店に報酬として支払います。「自院の地域名+科目名」の完全一致のみ掲載するのであれば、難易度も高くないので、腕に自信がある方は、ご自身でするのも一つの手です。
「グーグルキーワードプランナー」をチェックすることで、どのキーワードが月に何回検索されているかなどを知ることができます。「グーグルサーチコンソール」や「グーグルアナリティクス」では、どんなキーワードでサイトに来たかに加え、何ページ閲覧したかといった情報も集積されます。
これらを確認することで、どんなキーワードで検索されてクリックされて、ホームページを閲覧されているのかを知ることができます。
・ 除外キーワードを設定する
・ 広告のタイトルを最適化する
「新宿+内科」のキーワードであれば、「新宿で内科をお探しなら●●クリニック」など、タイトルにキーワードを含めます。
本文には明確な決まりはありませんが、ターゲットとなる患者さまにクリックしてもらえるよう
例えば
・ アクセス→新宿西口1分、南口2分など
・ 病名→風邪、インフル、花粉症など
・ 診療時間→夜19時まで 土日祝休など
などを含めます。患者さまが知りたいことを書いておくと、無駄なクリックを避けることができます。上記でいえば、新宿東口や土日診療しているクリニックを探しているユーザーはクリックされにくいわけです。それ以外にも、ウリとなる特徴を含めることもあります。
配信する地域は、実際に患者さまが来院している地域に設定します。通常は、クリニックのある市や区単位で設定します。新宿駅前にクリニックがあるなら、新宿区のみ、広く設定しても東京都内です。
一般的には、診療していない時間帯には、クリック率が低くなる傾向にあるため、休診日や診察終了時刻から明け方にかけて入札単価を低くします。時間帯によるコンバージョン率(予約率や来院率)を計測してデータを元に設定するのが最も正確です。
上記が主なポイントになります。その他にも、細かい設定がありますので、ネット上の説明しているサイトなどで確認してください。
〈 【2019年最新版】Google広告の始め方を設定画面キャプチャつきで解説(リスマガ) 〉
開業したばかりで、患者さまが少ないときは、より多くの患者さまに来ていただきたいので、広告費を多く投入して、患者さまが増えてきたら徐々に減らしていきます。>開業したばかりのだと、利益が出てないこともあり、あまり広告を出さないケースもありますが、あまり患者さまが来ていないと、医師が診療する患者さまがいないのは、もったいないことです。
閑散期で、患者さまが少ないときは、広告費を増やしますし、逆に繁忙期で、患者さまが多いときは、広告費を減らします。
結果的には、1クリック50円~200円前後くらいになりますが、入札価格の上限には考え方があります。
概算すると
1名あたりの売上ー1名あたりの経費(人件費、家賃、検査原価など)-1名あたりの広告費=1名あたりの利益
になるわけですが、広告費を上げると利益が減り、広告費を下げると利益が増えます。
例えば、1回のみ受診した風邪の患者さまでしたら、
1名あたりの売上(4000円)ー1名あたりの経費(2000円)-1名あたりの広告費(1000円)=1名あたりの利益(1000円)
1年間計10回受診した高血圧の患者さまでしたら、
{(1回1名あたりの売上(4000円)ー1回1名あたりの経費(2000円)}×10回-1名あたりの広告費(10000円)=1年間計10回1名あたりの利益(10000円)
上記の具体的な数字は例で正確ではありませんが、風邪の場合は広告費が1000円、高血圧の場合は広告費が10倍の10000円に設定されています。今回の例は、単価が同じですが、高血圧はリピートするため、年間あたりの売上が高い分、広告費をより多く支払うことができるわけです。
初診は広告費を沢山かけたため、赤字で2回目以降で利益が出るように設定することもあります。また、そのような疾患の場合、リピート率の高い評判の良い先生だと、入札価格を高く設定できるということになります。
例えば、1回のみ受診した高額の健康診断の患者さまでしたら、
1名あたりの売上(30000円)ー1名あたりの経費(10000円)-1名あたりの広告費(10000円)=1名あたりの利益(10000円)
風邪の場合は広告費が1000円、高額な健康診断の場合は広告費が10倍の10000円に設定されています。今回の例は、来院回数が同じですが、健康診断が高額なため、広告費をより多く支払うことができるわけです。設備が整っていて、より多くの検査ができ、より単価が高額になるクリニックほど、入札価格を高く設定することができます。
まとめると、高単価かつリピートする病気の場合は、広告単価を高くした方がよいケースもあるということです。
「地域名+疾患名」というのは、新宿の内科であれば、「新宿+風邪」「新宿+インフルエンザ」など、疾患名についてまで広告を出すべきかどうかですが、新宿、池袋、渋谷など大都市でない限り、「地域名+疾患名」での検索回数が多くないため、出さなくても良いでしょう。
広告出すまでもなく、風邪のページやインフルエンザのページが自然検索で上位表示されているはずです。グーグルキーワードプランナーで検索回数を調べて決めてもよいです。
地域名が含まれていないため、検索意図としてクリニックを探していないことが多く、来院単価が高くなってしまう可能性が高いので、広告を出すときは費用対効果を慎重に検討しながらおこなうと良いでしょう。地域名がないキーワードのため、配信地域を絞る必要があります。遠方から来院を見込める科目や病気で高単価なら出すこともあります。
標榜科目が「小児科、眼科、耳鼻咽喉科、皮膚科、美容皮膚科、心療内科、婦人科」など、一般内科に比べてクリニックの数が少なく、かつ患者さまが移動できる科目の場合は、「自院のある地域名(A駅、A市)+科目名」の検索連動型広告だけでなく、「近隣の地域名(B、C、D、Eの駅や市)+科目名」にも検索連動型広告を出すといいでしょう。
そうすることで、近隣の地域名で検索してクリニックを探している、本来であれば「病院探し」の際に、候補に上がってこなかった人にとって、新しい選択肢となり、近隣から電車や車を利用しての新規来院に繋がります。
例えば、自院が新宿であれば、新大久保や代々木などと、科目名の掛け合わせで検索連動型広告を出す方法もあります。特に遠方から来院が見込める科目で高単価ですと、より効果的な傾向にあります。
6.なぜ、人間は口コミを投稿するのか?