私なら行かない、行きたくない病院の特徴を挙げたいと思います。
以下に述べる特徴の病院も、実際に行って満足する医療を受けてみたら良い病院ということもあります。あくまで個人的な意見になります。
2年間の初期研修医が終わると、通常は後期研修医は大学病院の医局などに配属されます。後期研修医は給料が安いこともあり、だいたいは他の病院で夜間に当直のアルバイトをします。そうすると、3年目や4年目の後期研修医の医師が当直および救急外来の診療をすることになります。
2年間は研修していたとはいえ、経験が浅い医師が救急車などで搬送された患者さまを対応する救急外来をおこなうのはリスクがあるともいえますし、診断が遅れてしまった事例もあると聞きます。もちろん、優秀な研修医もいますが、命に関わるほどの重症であれば、経験豊富な医師に診療してもらいたいものです。
ある知人の医師に聞いたことがある話なのですが、自分が研修医のときに交通事故の患者さまを診たが、レントゲンなどを撮って問題ないだろうから、念のため一泊入院させました。朝になり、指導していた医師が出勤してレントゲンを見たら、顔色を変えて緊急手術をすることになったとのことでした。残念ながら亡くなってしまったが、「もし自分が見落とさなかったら助けられた命だったかもしれないと思うと悔やんでも悔やみきれない」とのことでした。
ある大病院では医師不足のため、医師3年目の後期研修医に救急外来をやらせていました。後期研修医であっても医師は医師で法律上問題はないのですが、後期研修医はろくに今まで指導も受けたことがなく、医師不足のため他の指導医も教える暇もなく、誰にも聞きにくい状態で救急外来をおこなっていました。
大病院のため街のかかりつけクリニックでは原因がわからず、精密検査をする必要のある病気ばかりを診るわけですが、見落としを繰り返しており、紹介元のかかりつけクリニックからもクレームが来る始末でした。
知人から聞いた話なのですが、研修医が夜間の産婦人科病院で一人で当直のアルバイトをしていたのですが、分娩が始まり緊急で分娩することにとなりました。母子ともに無事生まれたのはよかったのですが、母親がその日の明け方に急変して亡くなってしまったとのことでした。どうやら、分娩時の出血を見逃しており、出血のチェックが甘かった、輸血の判断が遅かったとのことで、経験豊富な産婦人科医だったらありえないとのことでした。
診察券を持っていないと、どこの病院も受け入れてもらえず、なかなか救急車が出発しないことがあります。救急車は受け入れ先の病院が決まったら出発するので、いつまでたっても受け入れてもらえないと、その分治療開始が遅くなってしまいます。やっと受けいれてくれたのはよかったものの、どんな病気でも受け入れてくれる腕はいまいちな医師だったら不幸の始まりかもしれません。
救急隊にとってはありがたい医師でも、患者さまにとってはいいとは言えない医師もいます。救急隊員も愛想がいいかどうかはわかっても、腕がいいかどうかまではわかりません。病院内でも「あの医師は診れない患者ばかりを受け入れて微妙だよね」という噂話が絶えないとんでもドクターがいる場合もあります。
経験の少ない後期研修医のみが救急外来をしている病院かどうかを判断することは難しいですが、各科目の医師が当直しているか、内科系の医師1名、外科系の医師1名など少人数で当直しているかで、病院を分けることができます。各科目の医師が当直しているというのは、内科系であれば、循環器内科、呼吸器内科、消化器内科、神経内科、血液内科など各科の医師が当直している状況です。
救急外来で専門分野の患者さまを診療することができますし、各科目の医師ではなく、救急部や救急センターが専門的に対応する病院もあります。各科目の医師が当直している病院は、ベッド数の多い大病院に多い傾向にあります。やはり、ベッド数の多い病院ほど、より多くの医師が当直していても採算が合いますし、ベッド数の少ない病院ほど、少人数の医師でないと採算が合いません。
内科系の医師1名、外科系の医師1名など少人数で当直しているというのは、例えば、循環器内科を勉強している研修医であれば、脳梗塞などの神経内科領域の患者さまがいらっしゃっても対応しなくてはいけないため、診断や治療が遅くなってしまう可能性があります。
もちろん、研修医でもよく勉強していて、全ての内科の病気や症状についても対応できることもあります。あくまで、確率の問題ではありますが、緊急で運ばれる場合は、各科目の医師が当直している病院の方が安心感があります。
救急車ではなく、自分で歩いて病院にかかれる場合は病院を選べるので良いのですが、病状が重く救急車で搬送されなくてはいけないこともあります。そういった場合は、救急車の中で救急隊員が搬送先の病院の救急担当者、医師に電話連絡をして、了承を得た上で搬送することになります。
あくまで傾向にはなりますが、今までかかったことのある病院であると受け入れてもらいやすいです。大学病院の診察券を持っていて通院中であると診療記録などもあるため、他の病院が受け入れるよりも今までの経過や検査データなどの診療記録があり、受け入れてもらいやすくなるわけです。
逆に▲▲総合病院でその科目の医師が不在であったとしても、専門外の当直している医師は受け入れざるをえないということもあります。「診察券を持っているかかりつけの患者さまは専門分野でなくても受け入れるようにしてください」と、事務から当直の医師へ依頼する病院もあります。一刻を争う緊急の処置をおこなわなくてはいけない状況にもかかわらず、緊急処置ができないかかりつけの病院に搬送されたばかりに手遅れになってしまったケースもあります。
外科手術に積極的な病院だと、手術するまでではない状態でも手術をすすめるケースもあります。症例数を増やしたい、手術設備のある実績を上げたい医師としては、無意識的にそちらの方に誘導してしまうこともあります。セカンドオピニオンなど別の医師にも相談するのも一つの選択肢になります。逆に、手術設備のないクリニックであれば、適応があるのに手術をおすすめしないケースもあります。
ある眼科クリニックでは、緑内障手術の設備があるために、緑内障の手術の適応がないのに手術をしていて、「あそこは手術室の稼働率を上げたいためにやっているのだろう」と、周りの眼科クリニックからは評判が悪いというケースもあります。保存的治療や侵襲の少ない手術(腹腔鏡手術やロボット手術など)の選択肢があるにもかかわらず、その説明をしないケースもあります。明らかに適応ではない場合は説明しないでしょうが。
医師本人がオーナーの病院や、売上を求められている医師だと、手術ばかりすすめられやすい傾向があるともいわれていますが、ほとんどの医師は高い倫理観を持っていると信じたいものです。事前に病気について勉強して、他にも選択肢があることも知っておくべきです。
ホテルの稼働率と同じように、病院のベッドの稼働率というものがあります。ベッドが空いてしまうと稼働率が下がるため、中には、本来であれば退院できるような状態でも退院させないでいる病院もあります。それを逆手にとって、長く入院したいのであれば、あえて選ぶという選択もありますが、入院したい人は少ないでしょう。あなたの周りにも「あそこの病院に行くとたいしたことないのに、直ぐに入院させる」と噂話になっている病院ありませんか。
必要がある治療であれば良いのですが、一回でできる治療を三回に分けたり、あまり必要のない治療を追加したり、中には何度も通わせることもあります。不信感があるせいか、あまり通わせないことをウリにしている歯科クリニックもあるくらいです。
いつまでも終わらない歯医者などがあります。少しずつ治療した方が保険点数をたくさん取れるので、一気には治療しないのです。こちらは歯科については詳しくなので、そういうものかと思ってしまいますが、いろいろな箇所を一気に治療すると炎症がひどくなるからとそれらしきことをいうのですが、、、歯科医師の知人に聞くとやはり何度も通わせるために、少しずつ処置するクリニックはあるようです
安定していて血圧の薬をもらうだけなのに絶対に2週間分の薬しか出さない内科クリニックもあるようですが、忙しい方にとっては通いきれない場合もあります。4週間に1度しか来ない人よりも2週間に1度来る人の方が診療報酬が多いことも影響しているかもしれません。
精密検査が必要なのに、紹介状を書いてくれないクリニックと、大病院にはかかりにくいシステムです。病気の発見が遅れたり、気づいたときには手遅れだったりする可能性もあります。
「病院名」「病院名+口コミ」「病院名+評判」などを検索すると、グーグルマイビジネスや第三者の運営する口コミサイトや匿名掲示板などが表示されますが、点数が低い、口コミの内容が極端に良くない病院は避けた方が良いかもしれません。口コミの点数が良くないのは、実際に来院して受けた診療と、期待値のギャップがあったということもありえますので、一概に点数が低い病院が悪いとは言い切れません。そこらへんの判断は難しいところです。
6.医者がいらなくなる!?